現在、正式に認められているビタミンは13種類。
ビタミンには、油脂に溶ける脂溶性のビタミンと水に溶ける水溶性のビタミンの2つのタイプがあります。
ビタミンには、体を機械にたとえると故障せず長持ちするための潤滑油のような健康維持の働き(生理作用)と、病気を予防し、治す薬としての働き(薬理作用)があります。
ビタミンが不足すると病気になり、極端な場合、死にいたることもあります。
たとえば、ビタミンB1の欠乏によっておこる脚気になると、全身の倦怠感(だるい)や手足の知覚異常、最低血圧の低下などの自覚症状がおこり、すぐに治療しなければ死に至ることもあります。
また、ビタミンCが欠乏すると全身の出血がおこる壊血病になり、昔、大航海時代には多くの人が亡くなりました。20世紀初頭米国南部で爆発的発生をみたペラグラという病気もナイアシン(ビタミンB3ともいう)というビタミンの欠乏が原因でした。ペラグラの主な症状は、皮膚炎(dermatitis)、下痢(diarrhea)、痴呆(dementia)で、ついには死(death)にいたるため「4D」と称され、おそれられました。
とはいっても、ビタミン欠乏症は、ビタミンをとれば治ります。

しかし、現代人は食事から十分に摂取できない場合も多いとビタミン研究の第一人者である糸川嘉則京大名誉教授は、潜在的なビタミン不足を指摘しています。
欠乏症にならないためには、体では作れない必須栄養素であるビタミンを医薬品のビタミン剤などからも上手に利用したいものです。例えば、新鮮野菜や果物が嫌いな方は、ビタミンCの補給が必要です。とくに、ビタミンB1は毎日を元気に過ごすためのエネルギーを作る過程に関わっており、意識して摂取することは大切です。
ビタミンB1の特徴として、一度に吸収できる量に限度があること、体内に何日も蓄えておくことができない点を知っておく必要があります。総合ビタミンとかマルチビタミンと言った名の付いている商品は、1日に必要とするほとんどすべてのビタミンを1錠中に含有させていることが多いようです。
また、最近は、リポ酸、CoQ10(ユビキノン)、カルニチンなど、ビタミンと似た作用(ビタミン様作用)を示す成分が含まれた商品も出回っています。これらの成分は体内で作られたり、体内に存在しているので、13種類の必須栄養素であるビタミンとは区別されています。偏食・ビタミン不足が気になる方は、まずは、体内で作れないビタミンの補給を心がけたいものです。

近年の研究で、いくつかのビタミンには、日本人の食事摂取基準の推奨量以上に多く摂取すると、病気の治療や予防に効果があることが報告されています。
たとえば、「ビタミンB1の抗疲労効果」「ビタミンB1、B6、B12の肩こりや腰痛の緩和効果」「ビタミンCの慢性疲労症候群への応用」「ビタミンDとビタミンKの骨粗しょう症への効果」などです。このような薬理作用が期待できるビタミンは、まさに“薬”と言えます。
予防・治療効果を備えた医薬品としてのビタミン剤には、日本人の食事摂取基準の推奨量より多くとることで期待できる効能と用法・用量*、成分が記載されています(*病気の治療や予防を目的にした時に効果がある薬理量が記載されています)。
一方、健康食品などの製品に記載されているのは、健康維持のための栄養成分や内容量などです。メーカーによって製品のビタミン含有量が異なっていますから、ラベルのビタミン含有量を見て、目的に適する製品を選ぶことが大切です。

































