意外に知らない ビタミンの話
(9)食材での補給
日露戦争(1904年)で、ロシア軍もビタミン不足に悩まされていた。日本陸軍は白米中心の食事でビタミンB1不足に陥り、脚気(かっけ)による病死者を出したが、ロシア軍の場合は緑黄色野菜に含まれるビタミンC不足である。出血が止まらず、ひどいときは死亡する壊血病に多くの兵士がなった。しかし、激戦地の旅順など中国北東部の極寒の地では、新鮮な野菜の補給は望めない。
実は、この窮状を救う手立てはあったのだ。それはロシア軍の敗走後、倉庫から見つかった大量の大豆である。大豆にビタミンCはほとんど存在しないが、発芽させて「もやし」に育てれば、ビタミンCは十分に補給できていた。
ビタミンがどのような食材に多く含まれるかを知っておくことは、日常生活でも栄養バランスを保つうえで大切だ。主な水溶性ビタミンでは、B1が豚肉、大豆▽タンパク質の代謝にかかわるB6がサンマ、バナナ▽造血に関係するB2が豚レバー、貝のカキ▽Cがジャガイモ、レモン―である。
ただ、水洗いしたり、煮たりするときに外に出てしまう。総じて熱にも強くない。必要以上の量を摂取しても排出されるので、毎日摂取する必要がある。
脂溶性のビタミンは、目や粘膜を守るAがウナギ、ニンジン▽骨の形成にかかわるDが干しシイタケ、シラス干し▽老化を防ぐEがベニバナ油、アーモンド。調理で油を使うと吸収力が増し、熱にもやや強い。
ビタミンは微量栄養素だが、人間には不可欠なものだ。食品からの摂取が十分でないと思われたときは、欠乏の状況に応じてビタミン剤で補給するのもよい。
(取材協力・武田薬品工業)























