意外に知らない ビタミンの話
(7)自然の薬
「トマトが赤くなると医者が青くなる」。イタリアの古いことわざで、トマトが熟すと病気が減るという意味だ。確かにトマトはビタミンA、C、E、B群など健康を保つ栄養素を豊富に含む。
「冬至の日にカボチャを食べるとカゼをひかない」という日本の伝承もカボチャに健康に良い栄養素が含まれるとされたからだ。それは、ビタミン類である。
経験から得た養生訓(ようじょうくん)は実に科学的だ。
ビタミンは人間の体内で作ることができないので、食事などから摂取しなければならない。
例えば、豚肉や米ぬかに多く含まれるビタミンB1はエネルギーを生み出すときに役立ち、緑黄色野菜に多いビタミンCは抗酸化作用がある。ビタミンは毎日の食事で必要量を取っていれば生理作用を健常に維持し、病気を予防する効果がある。
ところが、必要量に満たない状態が長く続くと欠乏症になる。ビタミンB1不足の場合、脚気(かっけ)のほか、意識障害などを起こす「ウェルニッケ脳症」が知られている。この病気はビタミンB1を薬として大量に投与することにより回復する。
このように、ビタミンを推奨量の倍以上、集中的に投与することで薬理効果を出すことができる。健常な人でも疲労のために、ビタミンB1などを含むビタミン剤の服用は効果がある。また、ビタミンB1(チアミン)の吸収をよくしたフルスルチアミンなどが開発されている。ただ、ビタミンA、D、Eなどの脂溶性ビタミンは、体内に蓄積しやすい。このため、副作用が出ないように上限値が決められているので気をつけよう。
(取材協力・武田薬品工業)























