意外に知らない ビタミンの話
(6)脳の疲れの回復も
疲れがたまってくると、もともと柔和な人が突然キレたり、日ごろ、テキパキ仕事ができる人の集中力が鈍ったりする。
疲労の状態は、「だるい」「肩凝り」といったエネルギー切れによる筋肉の不調だけではない。脳内の神経ネットワークがうまく調整できずに神経の機能が健常に保てなくなる状態でもある。
そこで大切なのはビタミン類。中でもビタミンB1はエネルギー生産だけではなく、脳神経の機能もサポートしていることが分かってきた。
まず、脳はエネルギー源としてブドウ糖を使う。このとき、糖質を効率よく利用するにはビタミンB1が必要だ。
疲労の研究で知られる理化学研究所の渡辺恭良(やすよし)・分子イメージング科学研究センター長は「ビタミンB1には、神経の機能維持に必要なタンパク質などが壊れたときに、それを修復する役割もある。また、最近の研究で、神経伝達を調節する効果があることも分かってきた」と説明する。
これまでに分かったビタミンB1の脳神経に働く仕組みを紹介しよう。
ビタミンB1の本体は「チアミン」という物質だ。体内ではまずリン酸の分子が2個結合して「チアミン2リン酸」に変わることにより、エネルギーを生み出す機能を持つ。
脳神経にかかわるのは、もう1個リン酸が結合し「チアミン3リン酸」になったときだ。脳神経細胞の情報の運び屋である神経伝達物質が放出される際に、それを促進しているらしい。つまり脳神経細胞のネットワークを活発にし、機能を維持している。
精神の疲労回復にも役立っているらしい。
(取材協力・武田薬品工業)























