意外に知らない ビタミンの話
(4)疲労はB1不足にあり
ビタミンB1が極端に不足すると脚気(かっけ)になることは歴史的な事実で示されたが、不足すると疲労の原因にもなることが分かってきた。そこで、B1を十分に補給して細胞の活力になるエネルギーを生み出す仕組みを助け、疲労に対して働く「薬」としての使用が盛んになっている。
それでは、B1が体内でどのように働き、エネルギーづくりに役立っているのだろうか。
食事で体内に取り入れた栄養素のでんぷんなど炭水化物は胃腸で消化吸収されて細かな分子になる。さらに、体の一つ一つの細胞の中で分解されて大半が活動のエネルギーになる。その際、B1は、反応をスムーズに進行させる潤滑油のような役目を果たしている。
もう少し詳しく言えば、炭水化物が分解されて、ピルビン酸という小さな分子になった後、アセチルCoA(コエンザイムA)という分子に変わるときにB1は必要だ。このアセチルCoAを原料にエネルギーを作り出す回路(TCA回路)が働くから、回路を活性化し、元気を出すうえでB1は非常に重要なビタミンなのだ。
これに対し、B1不足によって代謝がうまく進まないと、エネルギーが十分に作り出せず、疲労状態になってしまう。B1の増減によって体調には雲泥の差がある。
このようなB1の薬としての働きが明らかになると、B1の摂取が、脚気などの症状が出るほどの欠乏状態までには至らないものの、必要量に不十分な潜在的欠乏状態が問題になる。それは疲労感をはじめ、倦怠(けんたい)感など「なぜか調子がよくない」状態と結びつけて考えられている。
(取材協力・武田薬品工業)























