意外に知らない ビタミンの話
(3)疲れとビタミン不足
働き盛りに不足しているB1
「江戸患い」という言葉が江戸時代にあった。地方の藩から江戸に来た武士の脚がむくんで乗馬できなくなるといった症状がひどくなると、死に至った。ところが、不思議なことに帰郷すると治ってしまうのだ。
原因は、元禄時代から江戸で富裕層に流行した白米食の習慣にあった。つまり、玄米を精米して白米にする際にビタミンB1を多く含む胚芽(はいが)などを取り除くので、B1不足で脚気(かっけ)になってしまう。地元では玄米が混ざった食事なため、回復するというわけだ。
古文書などから、脚気を病んだとみられる人物の中にはNHK大河ドラマ「篤姫」でおなじみの幕末の将軍13代家定、14代家茂、家茂に嫁いだ皇女和宮らがいる。脚気が進行して心不全を起こしたらしく、いずれも青年期に亡くなっている。
明治43年に日本人がB1を発見したが、脚気患者はあまりなくならなかった。
第二次世界大戦の後、国は流通の基準となる法定米を7分つき米から保存の利く白米に変えたため、B1不足は解消されていないという説もある。
昭和25年に政府は、B1の問題を含めて全体の栄養改善策として、パンと脱脂粉乳の学校給食を導入した。
ところが、現代人にも慢性ビタミン不足の症状の一つである「疲労」を感じる人が増えている。
社会的ストレスの増加から、働き盛りの年齢層では疲労対処のためのB1の要求量が高まっている。飽食社会といわれながら、栄養バランスを考慮していない料理や加工の過程でビタミンが失われている食品もある。
どうすればよいのか。疲労とビタミンの関係について、次回報告する。
(取材協力・武田薬品工業)























