ご存じですか?ビタミンの力

「いきいきシニア編」(3)

シニア特有の症状に役立つビタミン

 ビタミンB1を日本人が発見して、今年でちょうど100周年。健康維持に欠かせない栄養素は、ときには、歴史を動かすほど重要な役割を果たしてきた。現代の社会でも、その効果が見直されているビタミンの不思議な世界をお届けしよう。

ロコモ対策、楽しみながら体を動かし、ビタミンDとKでサポート

 毎日、いきいき、スムーズに体を動かすことができていますか。年齢を重ねるとともに骨や筋肉、関節など運動器やその機能が弱まってくる。予防には適度な運動が必要で、放っておくと運動器の障害により、要介護や寝たきりになるリスクの高い状態、ロコモティブシンドローム(通称・ロコモ、運動器症候群)になりやすくなる。

 ロコモの原因には、変形性関節症、骨粗しょう症など運動器自体の病気に加えて、高齢による筋力の低下やバランスを取る能力の衰えがある。無理のない程度に、楽しみながら運動をすることが重要だ。

 こうした加齢に対する症状にもビタミンは予防効果がある。

 骨自体がもろく、骨折しやすくなる骨粗しょう症に効果があるのは、シイタケ、カツオなど魚類に含まれるビタミンD、糸引き納豆などに多いKだ。いずれも骨の材料であるカルシウムが腸管から吸収される際に、これを促進する作用があるからだ。なかでもDには、骨の新陳代謝を活発にするという働きもある。

ビタミン豊富な食材で健康維持を

 一方、脳が働くために必要なビタミンについてみてみると、脳の神経細胞は、エネルギーとしてブドウ糖しか使われないため、この代謝の際に必要なB1が重要だ。バナナなどに含まれるビタミンB6も脳内の神経細胞のつなぎ目で信号を伝える「神経伝達物質」を作るなどの働きがあり、外部の刺激に対応するときにも関係している。

 また、B12は、神経細胞を正常に保ち、脳からの命令を手足などの末梢神経に正しく伝える働きがあり、豚レバーなどの食品に多く含まれる。

 ビタミンEは、アーモンドなどに含まれ、動脈硬化を防ぎ、脳をはじめ全身の血行を良くすることが期待される。

 ビタミンが未知の江戸時代に食材に気を配り、積極的に体を動かすことで、全国の正確な地図を作るという大事業を成し遂げたのが測量家、伊能忠敬(1745〜1818年)だ。なんと50歳で一念発起し、4万キロを踏破した。この間、ニンジン、ダイズ、カツオブシなどが好物だったと各地に残された接待の記録にはある。いずれもビタミン豊富な食材である。本人もかつて医学を学んだだけに、こうした知識が高齢の健康維持に役立ったのだろう。

 このように、人間の体にとって欠かせないビタミン。効率よく摂って、健康長寿を目指そう。

▲ビタミンの力「いきいきシニア編」(2)


<企画・制作:産経新聞生活情報センター> 

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