ご存じですか?ビタミンの力

「いきいきシニア編」(2)

潜在的なビタミンB1の欠乏症

 ビタミンB1を日本人が発見して、今年でちょうど100周年。健康維持に欠かせない栄養素は、ときには、歴史を動かすほど重要な役割を果たしてきた。現代の社会でも、その効果が見直されているビタミンの不思議な世界をお届けしよう。

体内の貯蔵量が少ない ビタミンB1は補給が必要

 「なんだかわからないが調子が悪い」。高齢者には潜在的なビタミンB1欠乏状態があるのではないか、といわれている。

 厚生労働省の調査によると、60〜69歳の1日当たりの食事からのビタミンB1摂取量は男性0・94ミリグラム、女性0・82ミリグラムで、これに対し推奨量は、男性1・3ミリグラム、女性1・1ミリグラムだから、不足していることになる。

 B1は、疲労回復につながるエネルギー産生の酵素をスムーズに働かせる役割があるが不足しやすい。脚気などの欠乏症を起こすほど減ってはいなくとも、不足状態が続くことにより健康状態が不安定になる。疲労感、倦怠感、抵抗力の低下などの症状が続くのだ。

 その後、外部からの補給が十分でないと、もともと体内の貯蔵量が少ないB1は取り崩されてさらに減少するという深刻な事態を招く。

 とくに、暑い夏は、清涼飲料水やビールを多量に飲むので、糖質やアルコールの代謝に関わるB1の摂取量を増やす方がいい。

 江戸時代からはじまった猛暑の土用の丑の日に「夏バテ防止にウナギを食べる」という習慣は、ウナギはビタミンB群、Aが豊富な食材なだけに理にかなっている。

 ただ、これは江戸の科学者、平賀源内が、鰻屋に頼まれ、「丑の日に『う』が付くものを食べると夏負けしない」という言い伝えを利用したCMだった。

調理や食べ方で工夫を

 日常の調理や食べ方の工夫も必要だ。

 B1など水溶性ビタミンを含んだ食材は、基本的に水で処理したり、加熱したりする時間を短くする。また、ゆでたあと、ビタミンが汁に溶け出すので、汁ごと食べるようにする。米を炊飯する場合、蒸留水を使うとB1の減少があまりないが、塩素消毒した水道水を使うと、3分の1にまで減ってしまうことも考慮したい。

 まずは、工夫して食事からしっかりビタミンを補給したいもの。十分に取れないときは、医薬品ビタミン剤の利用も有効だ。

 微量でも欠かせないビタミンは、今後、健康づくりの根底を支える栄養素としての認識を高めていく必要があるだろう。

▲ビタミンの力「いきいきシニア編」(1)▼ビタミンの力「いきいきシニア編」(3)


<企画・制作:産経新聞生活情報センター> 

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