ご存じですか?ビタミンの力
「働き盛り編」(1)
健康維持にかかせないビタミンB1
ビタミンB1を日本人が発見して、今年でちょうど100周年。健康維持に欠かせない栄養素は、ときには、歴史を動かすほど重要な役割を果たしてきた。現代の社会でも、その効果が見直されているビタミンの不思議な世界をお届けしよう。
人間の体内で作れない
飽食社会の中で日本人はカロリーをとりすぎるといわれるものの、一方で慢性ビタミン不足の傾向が指摘されている。つまり、栄養の摂り方がアンバランスなのだ。
国民健康・栄養調査(平成20年)によると、10年前に比べて働き盛りの20〜50歳の世代でビタミンB群、Cの摂取が1〜2割減少していた。どうやらこうしたビタミン不足が疲労など現代病の原因のひとつになっているらしい。
ビタミンの特徴の一つが、不足すると特定の欠乏症を起こすことだ。ビタミンが未発見のころ、明確に示された歴史的事実がある。
このように健康に大きな影響があるビタミンは必須栄養素とされているが、残念ながら人間の体内では作られない。植物や微生物には、その能力が備わっているのだから進化の謎でもある。
発見したのは日本人/最初はビタミンB1から
ビタミンと日本人の関わりは深く、最初に見つけたのが、農芸化学者の鈴木梅太郎博士である。1910年、脚気に効く物質として米ぬかから取り出すことに成功した。しかし、論文が日本語だったため、国際的には認められず、1911年に同じ成分を分離したポーランドのフンク博士が「ビタミン」と命名し、世界に広まった。鈴木博士が発見したものは、現在のビタミンB1にあたる。このように命名こそできなかったが、第一発見者は日本人なのである。
実は、米ぬかに重要な成分があることは、白米が広まった江戸時代から気づかれていた。明治になって日露戦争のころ、海軍はパン中心の洋食に切り替えることで脚気にかかる兵士が激減したというエピソードがある。日露戦争の戦勝の一因になったと思われる。
その後の研究で、B1は、食物が体内で消化され、細胞に取り込まれるさい、酵素の働きを助け、エネルギー産生を促進するなどの重要な役割をしていることが分かってきたのだ。
だから、不足すると、エネルギー産生がうまくいかなくなり、疲労倦怠感を起こし、さらには脚気などにもつながってしまうのだ。ところが、体内に蓄積できる量は少なく、食材の調理の仕方によってかなり失われてしまう。
それだけに、働き盛りの人たちは積極的にビタミンB1を摂るべきである。食品からはもちろん、医薬品ビタミン剤から摂る方法もある。微量でも効果があるスーパー栄養素、ビタミンB1にもっと注意を振り向けてみよう。
<企画・制作:産経新聞生活情報センター>























